平成25年2月23日(土)、早春の京都において、第26回日本高精度放射線外部照射研究会を開催させていただくこととなりました。本研究会は、外部放射線照射に関する高精度の技術と臨床における治療成績の向上についての研究発表、討論、学術交流を目的としています。放射線腫瘍医、各科腫瘍医、放射線技師、医学物理士、品質管理士、看護師、企業関係者等が職種を超えて意見交換できる貴重な学術集会ですので、よろしくお願い申し上げます。
今回のテーマは「高精度放射線治療の標準化と個別化:アップデート」とさせていただきました。放射線治療における技術および機器の発展は日進月歩で、強度変調放射線治療、画像誘導放射線治療に代表される高精度治療が急速に普及しつつあり、適用の拡大、治療成績の向上、有害事象の軽減に大きく貢献しています。さらに、陽子線治療、重粒子線治療に代表される粒子線治療では世界をリードする技術と治療成績が報告され、注目を集めています。一方で、高精度化に伴う適用決定、精度管理、危機管理等が重要な課題になっています。近年、多くの腫瘍において、科学的エビデンスに基づく標準治療、ガイドラインが整備され、手術、化学療法、分子標的治療等と放射線治療の併用を含めた集学的癌治療による治療成績の向上が期待されていますが、ガイドラインだけで常に最適の治療方法を決定できるわけではありません。多くの患者さんの実際の診療では、標準治療を十分に踏まえた上での適切な個別化の意義が強調されています。研究会においては、標準化と個別化に関する積極的なご発表、活発なご討論等、ぜひよろしくお願い申し上げます。
なお、特別講演には、The University of Texas MD Anderson Cancer Centerの Ritsuko Komaki先生とHeath D. Skinner先生を予定しております。
多数の皆様にご出席いただき、討論にもご参加いただきますように改めて心からお願い申し上げます。
第26回日本高精度放射線外部照射研究会
当番世話人
長谷川 正俊
奈良県立医科大学 放射線腫瘍医学講座